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染め、織り、縫製の世界

南丹市日吉町の胡麻駅から車で10分ほど走ったところに工芸染色三友の工房はあります。工房は元々茅葺の家で
「実家の隣の家を改装して工房にしたの。工房にする前、昔はおばさんがここでおかずやお菓子を売っていたんです」と語るのは工芸染色三友の佐野さん。
とても気さくな方で、染め、織り、縫製や素材、ご自身の経験などを教えてくださいました。

材料から縫製までを

現在の工房でお仕事を始めた際に一緒に作業をしていた方に糸染めをお願いし、佐野さんは染めた糸を織り、縫製して作品を作り上げる一連の作業をされています。
そして、佐野さんは工房の裏庭で染料の一つである藍を育てていらっしゃいます。ご自身で育てた藍を使って、自分で糸を染め、それを使用して作品を作ることもあるのだとか。

それに伴う染めた糸をきれいに巻く作業は手作業で行っており、この作業が大変なんだとか。腕がパンパンになることもあるそうです。

また、近所で採取した糸の原料となる苧麻(ちょま)を見せてくださり「これで糸を作りたいんです」と語る佐野さんの目はキラキラしていました。

糸を染めて一つの作品を作り上げるには2週間以上の時間がかかり、また草木染めにおいては草木の取れる時期や煮る時間によっても染め上がりの色が違いますし、一緒に合わせる草木や染める糸の素材によっても色合いが変化し、そこが草木染めの難しい点です。

しかし、染め、織り、縫製のどの作業も大好きな佐野さんが試行錯誤して作る作品は、どれも色合いが美しく、織りのデザインも楽しいものばかりです。

賑やかな教室
佐野さんは織りと縫製の教室も開いており
「なんだかんだで常に工房に生徒の誰かがいる状態ですね。生徒の方がズッキーニや野菜を持ってきてくれて、工房にあるキッチンでご飯を作って食べたりしています」と、賑やかに楽しく教室をされているそう。
生徒数は9人ほどでそれぞれが卓上機(たくじょうばた)を使用し好きなものを教室で作るスタイルです。教室で作った作品はスプリングス日吉で行う展示会で展示していらっしゃいます。

生徒の方々は京都の様々なところから佐野さんの教室に通っており、遠いところからは山科から通っている生徒さんもいるそう。
「織りや染めの素晴らしさを知っている方が集まってきてくれるのが嬉しいです。自分がやってきたことを少しでも伝えていきたいです、教えると自分も学べることがあるし」と語る佐野さんは本当に楽しそうでした。

ものづくりのきっかけ
佐野さんが染めや織りを始めたのは短期大学を卒業した後でした。元々は体育教師になりたくて、体育系の短期大学に進学したそう。その後、絵を描くことが好きで体育教師ではなく着物の臈纈染め(ろうけつぞめ)などのお仕事を京都の桂で始めたそうです。
現在は染め、織り、縫製の作業が大好きな佐野さんですが、20代-30代のころは一生この仕事をすることは考えていなかったそう。それでも仕事をしていく中で50代の頃にもっとやりたいと思い始めたそうです。
そうして織りのインストラクターの資格を取り、15年ほど前に今の工房に移動したんだとか。
現在では他の織りの先生と二ヶ月に一回の勉強会を開いたり、ご自身で教室を開いて生徒に教えるなどの活動もされています。

「織っている途中は、このデザインだったら良いものが出来上がると思いながら難しい織り方などに挑戦しますが、出来上がった後はどうしてこんなの織ったんだろう?と思うことが多いです。常に満足していません。満足したら終わりでしょ?」と仰る佐野さん。染めや織り、縫製の技を探究し続ける楽しさを教えていただきました。

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