blog

  1. HOME
  2. ブログ
  3. 03-作家・商品一覧
  4. 「nobu notes」松下展之さんインタビュー

「nobu notes」松下展之さんインタビュー

何かを描き留めていくように、ものづくりをしたい

木製が目を引く、田畑に囲まれた工房。

田園風景が広がる亀岡市旭町。nobu notes(ノブノーツ)は、田んぼに囲まれたロケーションに工房があります。nobu notesを運営するのは、松下展之(まつした・のぶゆき)さん。2017年に立ち上げ、住まいのある京都市内から亀岡へ通い、木のものづくりと米づくりをしています。

「nobu notes」の「nobu」は自分の名前、「notes」はノートが由来。何かを描き留めていくように、ものづくりをしたいという思いが込められています。nobuは名前から決めましたが、ロゴのように正方形に並べると、上から読んでも下から読んでもnobuに見えるのも決め手になりました。小文字で表現することで、丸みが出るのも気に入っているのだとか。

まるで本物のたまごのよう!優しい丸みの「きのたまご」

きのたまご、小物入れ

きのたまご、ネックレス

松下さんの作品で代表的なものは「きのたまご」。一輪挿し、小物入れ、ペーパーウエイト、ネックレス、コースター、手鏡とさまざまなバリエーションがあります。ネックレスは小さくてかわいらしく、小物入れは本物のたまごのよう。柔らかな曲線の手鏡は、手なじみがよく使いやすそうです。松下さんのアイディアで、たまごがいろんなものに変化します。

きのたまごは、円柱や柱のようなかたまりから削っていき、たまご型に変化していきます。かたまりが美しい曲線のたまごに変わっていく姿は見ていて楽しい!製作動画がYouTubeにありますので、ぜひご覧ください。

季節商品や家具もつくります

五月人形(かぶと)

ひな人形、五月人形(かぶと)の置物や、七夕飾りにクリスマスツリーなどの、季節作品もあります。シンプルで、和洋どちらにも合うデザインなので、毎年時期が近づくと注文が入ります。

half moon

CDを収納するCDラックや、「half moon」という、半月にあしらわれた壁掛けの棚も。これから、小さめの家具も充実させていきたいそうです。

突板の灯り

「突板の灯り」というランプシェード(行灯)は、0.5mmまで削った突板(天然の木材を薄くスライスした板材)を張り合わせた作品。ここまで薄くすると、通常はふにゃふにゃになりますが、太鼓型に貼って強度を出すなど工夫をしています。光が灯ると、オレンジの温かみある色味が辺りを照らし、隙間からは優しい光がほのかに伸びて、心やすらぎます。突板の灯りは、ペンダントタイプもあります。

これら作品が手に入るのは、百貨店の催事や手作り市などイベントがメイン。季節作品は一部オンラインショップで買えますが、対面販売を基本としています。ネット上では木目など特徴を伝えにくいのと、手にとってじっくり選んでほしいから。わざどころPONでも一部取り扱いしていますので、ぜひご覧になってください。

工作好き少年が設計士となり木工作家へ

松下さんは1968年生まれの54歳。

松下さんが木工作家になったきっかけは、子どもの頃からものづくりが好きだったから。大工になりたくて工業高校へ進学しますが、高校で習った設計がおもしろくなり、大学は建築学科に進みました。卒業後は設計事務所に入社し、意匠設計を担当。おもに工場の設計を手掛けました。

多くの建物を担当しましたが、部署ごとに仕事が分かれており、現場へ行くことはまれでした。しかし仕上がりが気になる松下さんは、上司に怒られながら現場に行っていたとか。仕事をするうち「作っている期間に見に行けないのも、建てるまでの過程が見えないのもおもしろくない。自分でイチから作り完成させたい」という思いが強くなり、設計事務所を退職。

木工の勉強をしようと、岐阜県高山市にあった飛騨国際工芸学園に、30歳で入学します。2年学んだのち同市に住居を構え、個人工房で働きはじめます。工房のほか、工場でクラフト担当として商品を作ったり「森林たくみ塾」のスタッフを経験するなどして、腕を磨いてきました。自身の作品は、仕事のかたわら製作し「工房展(こうぼうのぶ)」として手作り市などに出店していたそうです。

京都へUターン、木のものづくりとお米づくりをおこなう

工房入口から田畑が見渡せ、のどかな風景が広がる

10年ほど前にお父さまが、亀岡に田んぼを購入。松下さんも田んぼの手伝いをすることになりました。定住するつもりで高山市に家を購入した松下さんですが、田んぼの手伝いと手作り市出店をかねて、高山と京都を行き来する生活が数年続きました。その後生活環境の変化で、2016年12月に京都にUターン。田んぼのある亀岡で「nobu notes」として構えることにしたのです。

以来、作家活動をしながら、田植えや稲刈りなど農作業を並行しておこなっています(収穫したお米は飲食店に卸しているそう。小売にも対応してくださるので、興味ある方は問い合わせを)。

木取りに時間をかけ、素材を生かした作品をつくりたい

どう作れば素材が生きるか。素材の持つ力を引き出すよう意識しながら、作品を作る松下さん。「木取り(角材や板材などを製材すること)の段階で、作品の質が決まります。木取りに時間がかかっても、木目の表情がうまく出るように作りたい。私が日々大切にしていることです」と語ります。

今後の展望をお聞きすると「金属やガラスなどの異素材を組み合わせた作品や、近郊作家さんとのコラボ製作をしたい」という答えが返ってきました。また「こういうふうに使うんですよって説明したときに、びっくりされるものも作りたい。アイディアを具体的な形にし、アイテムを充実させるのが目標です」とも話す松下さん。木のぬくもりや美しさをまといながら、あっと驚く作品。どんなものが生まれるか、今から楽しみで仕方ありません。

4月めぇめぇマーケットで体験していただけます!

小さくてかわいい、いちご型のブローチが作れます!

4月のめぇめぇマーケットでは、いちごのブローチ作り体験を予定しています。金太郎飴状のいちごを好きな厚みにカットしたものを組み合わせて、ブローチを完成させます。木の持つ色味で表現されたいちごは、素朴でどんなファッションにもなじみそう。

親子で一緒に作ったり、自分への贈り物など、ぜひ気軽に挑戦してみてください。

ホームページ

Instagram

関連記事