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陶芸家TAKUNOBUさんインタビュー

TAKUNOBUさんの工房と作品

四季折々の豊かな自然に囲まれた京丹波町にあるご自宅の工房で、魅力的な作品を生み出しているのは陶芸家のTAKUNOBUさん。子供の頃から花や昆虫に興味があったそうです。
TAKUNOBUさんが陶芸の道に入られたのは中学校を卒業した時でした。
進学か就職か家業の陶芸の道に進むのかを考え、選択されたのは、自身の身近にあった陶芸でした。陶芸を続けていくうちに「イメージしたものを形にする楽しさ」や「新しいことに挑戦するやりがい」を知っていき、気が付けば21年の歳月が流れていました。

魅力あふれる多種多様なデザイン

写実的で愛嬌のある動物、「あめゆう」という釉薬を使った大胆なデザイン、シンプルな形で優しい色合いのパステルカラー、洗練された市松模様のデザインなど多種多様なデザインがあります。一人の陶芸家が手掛けたものとは思えない程、バラエティーに富んだ作品です。

動物シリーズは白地の食器にリアルな動物が描かれています。動物の表情は写実的なのにどこか愛嬌があって思わず笑顔になり、ブローチは服や帽子につけるとアクセントになって目を惹きます。これはTAKUNOBUさんが一番はじめに手掛けられたシリーズです。作家活動を始めた当初、「世の中には『きれいな植物』や『デフォルメされたかわいい動物』は沢山ある。その中で自分の特徴を活かすにはどうしたらいいか」と思案して思い至ったのは「写実的な作風にすること、それこそ自分の強みだ」という想いでした。まずは幼少期から興味のあった昆虫をモチーフに「昆虫シリーズ」を製作、更に動物シリーズが生まれました。


動物シリーズを作成して15年目、「新たな作風の物を作りたい」という思いから挑戦し完成させたのが「あめゆう」という釉薬を使った印象的なデザインの作品。この大胆で印象的なデザインは感性とインスピレーションから生まれたものです。今から2年前にデザイナーとコラボした経験がTAKUNOBUさんにとって、ターニングポイントになりました。デザイナーが考えたデザインをTAKUNOBUさんが陶芸の技術で形にする作業は、陶芸家として繊細で緻密な技術と複雑な工程を要し、試行錯誤の積み重ねでした。それでも「難しいからこそ挑戦する」という姿勢で挑んで大皿が完成。この経験を乗り越えて技術的、感性的にも今までと違った視点で作品をみることが出来るようになったそうです。

作品への情熱

デザイナーとのコラボ体験を経てその後、コロナでイベントに出店出来なくなった期間がTAKUNOBUさんにとって新たな創作活動の時間になりました。「セットの商品が作りたい」という想いから生み出された最新作がパステルカラーシリーズ。そして市松模様のお皿です。
パステルカラーシリーズは見た目の色合いは優しく、洗練されたシンプルな形、軽くてとても使いやすい。このシリーズは余分な装飾を一切省き、『シンプルで使い心地のよい機能性』と『ランチマットや部屋などの空間と馴染むインテリア性』の両方を考えてデザインしたものです。


デザイン面での特徴の一つはコーヒーポット、ゴブレット、サラダボールの内側のきれいな「白さ」です。食器の内側にきれいな白色を出す技術はデザイナーとのコラボ経験が活かされています。食器の内側の「白さ」は色々な食材や様々な飲料の色みに馴染むので、食事やお茶する時など、どのような場面でも幅広く使えます。機能面では「使いやすいものを作ることを心掛けている。目指しているのは食器棚で一番よく使用してもらえる食器」とのこと。完成した作品は必ずご自身で使い勝手を確認されています。取材の際、新作のカップでコーヒーを頂きました。手に持った時の軽さや持ちやすさ、飲みやすさを体験し「実際に手に取って、使い心地の良さに納得してほしい」という作者の想いに筆者も納得しました。


市松模様のお皿は、「格子柄」が日本だけではなく外国にもある柄だというところに注目して作成。四角を正確に描く時も線が歪まないよう細心の注意をはらい、コントラストのある配色にもこだわりました。この洗練されたデザインはお皿に盛る食材を鮮やかに惹きたてます。
TAKUNOBUさんの食器がこのように魅力的なのは技術的な努力はもちろん「作品の使いやすさ」と「空間に馴染むデザイン」の両立を追求した情熱の賜物なのです。

進化し続ける作品

今後したいことは「まずは、今作っている作品を直接、多くのお客様に見てもらうこと。自分の作品の良さをお伝えしながら直にお客様の声を聞いて、その意見を今後の作品に取り込んでいきたい」とのこと。更に食材を盛り付けるプロの料理人やインテリア関係などの方とも親交を深め、意見交換の場を増やし、食器に加えてレンゲやおろし器、お菓子を入れる重箱など色々な場面で使える作品を作りたいそうです。
ご自身のこだわりを大切にしながらもインテリア雑誌や北欧雑貨から新しい情報を得たりして、新しい発想を吸収し今後も進化し続けるTAKUNOBUさんの作品にあなたも会いにきてみませんか?

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