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アロマオイルに込められた“サステイナブル”な地域づくり


アロマオイルに込められた“サステイナブル”な地域づくり


北山杉やクロモジ、柚子といった、京都で育まれた香りのアロマオイルを製造している「杉乃精(すぎのせい)」さん。
今回は京都市京北にある工房へお邪魔して、その豊かな香りの裏にある秘密を探ってきました!

お話をしていただいたのは、代表の村山さん。
15年前(2005年)からこの仕事をされています。

案内いただいた村山さん。とてもエネルギッシュな御年72歳!


びっくりするほど貴重な「アロマオイル」


ではまず初めに、アロマオイルづくりの工程について探っていきましょう!
アロマオイルはどのように作られているのでしょうか?

うちでは「水蒸気蒸留法」といって、香りの元となる木の枝葉などを蒸して、そこから上がった蒸気を冷やして再び液体にすることでオイルを抽出しています。
液体はフローラルウォーターとアロマオイルに分離して溜まっていくけれど、取り出せるオイルの量は杉の場合、10キロの材料から8~10㎖。
柚子は毎年冬の間に2トンほど仕入れて、2ℓなんですよ。


アロマオイルを抽出しているところ。鍋で材料が蒸されて上がった水蒸気が、管の中で冷やされ、オイルと水に分かれて溜められる

トラック一杯からペットボトル1本…
アロマオイルって高級だと思っていましたが、そんなに貴重なものだったとは!

秘密① アロマオイルはたくさんの材料からほんの少ししかとれない、貴重なもの!


アロマオイルってどうやって使うの?



杉乃精で出しているアロマオイル商品。ちなみに村山さんのお気に入りはクロモジだそう
(写真は杉乃精HPより)

続いてアロマオイルの使い方や効果について聞いてみたいと思います!
実はアロマオイルってどう使っていいのかよく分からない…という方、いませんか?
かくいう私もその一人。
村山さんおすすめの使い方を聞いてみました!

私のおすすめはやっぱり、お風呂にたらして入浴剤として使うことかな。
それが一番香りを楽しめる方法だと思っています。
複数の香りをブレンドして、自分好みのものを作ってもいいね。

入浴でのリラックス効果も相まってよさそうですね!
アロマオイルを使うことで、どんな効果があるのでしょうか?

一般的にはリラックス効果や気分を落ち着かせるといったことがよく言われるけど、それ以外にも、成分によっていろいろな効能があります。
例えばクロモジは火傷の治りをよくしてくれたり、「身体が自分を守る力をサポートしてくれる」というのが一番いい言葉かな。

単にいい香り、というだけではないんですね!
香りによる作用もありますが、ものによっては直接肌につける、という使い方もあるようです。

秘密② 自然治癒力を高める効果を持つアロマオイル!


捨てられているものも、見る目を変えれば宝物


杉乃精さんで出しているアロマオイルの特徴はなんですか?

原料が育つ地域によって、アロマオイルはの香りは全く違うんです。
うちでは「kyonoka」(京の香)という名前でアロマオイルを出していて、それには京都府産の原料から作ったものしか入れません。

実際、京都水尾の柚子と、この日サンプルがあった他県の柚子では、全く印象の違う香りがしました。
杉乃精さんのアロマオイルは、京都オリジナルの香りなんですね!


クロモジの木は京北と宮津のものを使用。写真のように細かくしてから蒸される。

秘密③ 原料が育つ地域によって香りが違う!

もうひとつ、特徴があります。
最初にも言ったように、うちでは「水蒸気蒸留法」という抽出方法を使っていますが、それは燃料に「薪」を使いたかったから。
薪を使った方が、電気でやるよりも自然な香りに仕上がるんです。

それに京北は山に囲まれていて、間伐材や災害時の倒木など、木材がいっぱい手に入る。それを利用しない手はありません。
木は成長するときに、二酸化炭素を吸って酸素を出していますよね。
だから、役割を終えた木を燃やしてやるのは「木の供養」でもあると思っているんです。

原料に使っている杉やヒノキなんかも、放置された山で持て余しているもの。
林業が低迷して放置されている山が多いけど、アロマオイル作りにとっては、燃料から原料、水まで必要なものがすべて揃っている。
私から見たら宝の山です。

身近にある資源に着目して、うまく利用しているのですね!


蒸して抽出が終わった後の柚子。他工場でジュースとして絞られ、捨てられている皮部分を使用している

秘密④ 地域にある資源を循環させて、豊かな香りを引き出す!


未来に残したい豊かな地域



工房の雰囲気。山に囲まれ、のどかな風景が広がる

いまでこそ「サステイナブル」や「循環型社会」といった言葉が浸透してきましたが、村山さんはもっと前からそれを実践されてきたんですね。
そこに至るには、どのような経緯があったのでしょうか?

未来の子どもたちがここで苦労なく暮らせるようにしてやりたい、という気持ちがあって。
私が地元の良さに気づいたのは都会から帰ってきた時だったのですが、自然豊かなこの地域は本当に資源に恵まれている。
でもそれは、整備したり利用したりしながら守ってこその話です。
そのために身近にあふれている資源の使い方と守り方を考えて、今やっていることにつながっているんです。

そんな未来への想いが、アロマオイル作りに込められていたんですね!

秘密⑤ アロマオイルの作り方が、循環型地域を作る実践そのものだった!

子どもたちに残したい地域を守る、熱い志を持った村山さん。
仕事で大変なことは?と聞いたところ、「あんま大変と思ったことはない」「こんな楽しい仕事死ぬまでやめられないわ!」とおっしゃっていました。
工房にも豊かでポジティブな空気が流れていて、こういったものづくりが本当に人を喜ばせ、残っていくんだろうなぁ、と感じられたひと時でした。

村山さんが実践する「循環」の姿は、杉乃精HPでさらに詳しく知ることができます!
https://suginosei.weebly.com

工房では毎週月曜と水曜に見学と体験ができるツアーも実施しています。
ツアー詳細は別記事にて紹介していますので、ぜひそちらもご覧ください!
五感をつかってリラックス&リフレッシュしたい方にぴったりですよ~

文・写真:鈴木奈月

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